2014年11月22日

Technics Portable CD Player SL-XP5

松下電器産業(現・パナソニック)のオーディオブランドである“Technics(テクニクス)”のポータブルCDプレイヤーです。
パナソニックは“Panasonic”ブランドに一本化するという意図から2010年にテクニクスの商品を全て生産終了しますが、2014年に高級オーディオ機器のブランドとして欧州に引き続き日本でも“Technics”ブランドを復活することを発表、2015年2月から順次新商品が発売されるようです。




このCDプレイヤーが発売されていた1987年はちょうど“Panasonic”ブランドを本格使用する前の段階で、オーディオ機器はヘッドホンステレオなど一部機器で“Panasonic”ブランドラジカセなどでは“National”ブランドとブランドが定まっていない時期でした。その中でポータブルCDでは当時松下電器産業が使用していたコンポのブランドであった“Technics”ブランドを使用していた経緯があります。
国内のテクニクスブランドで発売されたポータブルCDは“SL-XP7”・“SL-XP3”・“SL-XP5”の3機種で、今回紹介するSL-XP5はテクニクスブランドとしては最後のポータブルCDとなります。
当時の価格は49800円、プレイヤーには記載されていませんが“CDer(シーダ)”という愛称が付いていました。






前面。前面パネルにも“Technics”の表記がありカッコいい。機能としてはリピート機能やプログラム再生機能など一通りの機能は付いています。
不満としては1曲リピート機能が付いていないことですが、プログラム再生機能で繰り返し再生したい1曲をプログラムした上でリピート再生を行えば実質1曲リピートも可能なので問題は無いと言えます。


液晶表示。普通CDが入っていない状態であると「no disc」などの表示をするのが普通ですが、このCDプレイヤーでは写真のような全表示のままになるのが珍しいです。






側面。ヘッドホン端子と音量調節用のボリュームが見えます。その他にも高音域の音をカットする“high filter”というスイッチがあります。パナソニックのポータブルCDプレイヤーでは音漏れ防止用のトレインモードという高音域の音をカットする機能が代々搭載されていましたが、それに似たようなものかな?




後側。リモコン端子とコンポ接続用のラインアウト端子が見えます。そのとなりに見える端子はDC入力端子で3端子の専用端子になっています。






これが専用のACアダプタです。正負電源を使用した3端子のACアダプタで音に対するこだわりが見受けられます。
テクニクスのCDプレイヤーはこのACアダプタが入手し難いことが難点で本体のみで入手してもACアダプタでつまづいてしまうことが多いようです。




裏。注意書きから仕様表示までもがシール。もちろん日本製で外部電源は「DC±6V~±7.2V」と記載されています。
シリアルナンバーは写真では見えにくいでしょうが、先頭4桁は「AF6L」となっており、先頭3ケタと4ケタ目は製造年月を表しているので1986年12月製造であると推測されます。




実はこのCDプレイヤーの下側は充電式電池になっており、取り外せます。前機種までは乾電池でも動かせる仕様となっていましたが(なんと単3電池10本!)、SL-XP5ではこの専用充電式電池のみの使用となっています。
電池の種類は鉛蓄電池でとてつもなく重いです。電池はとっくに使えなくなっていますが、重いのでおもし代わりに取り敢えず付けたままで使っていますw。



充電式電池の中身。銀色な包装に包まれた電池が3個見えますが、下にも3個が2段重ねになってますから6個入っています。
鉛蓄電池の単セルは2Vなので3個(6V)+3個(6V)で正負電源6Vを供給しています。





充電式電池を取り外したところです。これを見ると相当薄い厚みであり、当時としては凄いテクノロジーだったのではないのかな?
ちなみに動作は快調で普通の音楽CDのみならず、CD-Rも普通に再生してくれました。
ポータブルCDプレイヤーは90年代に入るとコストダウンの観点から1ビットDACを使用することが多くなりますが、個人的にはその前のマルチビットDACの音が好きだと感じてしまいます。





このポータブルCDプレイヤーの後継は“Panasonic”ブランドの「SL-XP50」という機種になります。ACアダプターは汎用的な3Vのものになり、単3電池2本でも動作するものになりましたが、このSL-XP5にも付いていた“high filter”の機能が引き続き搭載されており、テクニクスの血を引き継いでいるプレイヤーと言えます。外観は丸っこくなっちゃったけどね。

1 件のコメント:

  1. 有名な機種ですね。電源アダプターだけドフに流れているのはよく見ますが本体は未だに出会ったことがありません。バッテリーの画像は初めて見ました。ありがとうございます。自分は90年代のSL-S118Zを使っています。MASH搭載でガラスレンズを使っているためかソニーのSCD-XE800より音が良いですね。パイオニアのレガートリンク搭載のPD-N901より少し劣る程度です。

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