2015年4月21日

RIX CD-R 74

随分前に購入した“RIX(リックス)”なるブランドのCD-R。音楽用CDレコーダが発売される遥か前のものなのでデータ用ですが、パッケージには“74”と分表示のみです。ちなみにデータとしての容量は約650MBです。
このCD-Rは無名ブランドであったため安かった覚えがあり、自分の記憶ではこのリックス、CD-Rのみではなくフロッピーディスクもあったような記憶があります。





パッケージ裏。真っ白で注意書きのみであり質素。注意書きには『等倍速、2倍速、4倍速、6倍速のCD-Rライターに対応しています。』という記載があり、比較的初期のCD-Rであることが見受けられます。
バーコードのベンダーは“(株)リックス(4942077)”となっており、コードは今でも生きています。このリックスのホームページは現在でも健在ですが、同社の製品はスマホ関連アクセサリを発売する“株式会社PGA”に移管されているようです(吸収された?)。

ディスク盤面。安かったメディアなので、使われ思いっきり内容がマジックで殴り書きしてあります(^^;。モザイクがかかってはいますが、何となく銀色の盤面であることはわかると思います。
インクジェットプリンタ対応のCD-Rではマジックで書くと文字が滲んできたりしますが、これはマジックが滲んでいませんので恐らくインクジェットプリンタ非対応であると思われます。パッケージにもそのような記載はありませんしね。


ディスク裏面。色は限りなく濃いブルー。これは間違いなくアゾ系の色素でしょう。ちなみにこのCD-Rは書き込み済みなので、中心には書き込み跡が見えます。
















「Nero InfoTool」で見てみた本CD-Rの詳細。メーカーIDは“Verbatim (97m34s20f)”で案の定、三菱化学メディア製でした。ちなみにVerbatim(バーベイタム)とは1969年に設立されたアメリカのメディアメーカーで1990年に三菱化成(当時)が買収、現在は三菱化学メディアのメディアは全てVerbatimのブランドになっています。
ちなみにCDに記録されていたのは2000年に発売された音楽CDのコピーでしたが、おおよそ15年経った今でも普通に聴けています。さすがはアゾ色素です。アゾ色素を用いたCD-Rは色素が濃く、耐光性にも比較的強いと言われたため車載用に良いと言われた評判もありましたね。

2015年4月19日

MDとドルビーとの関係

今どきMDというかも知れないが、持っている人がいるならば機器の裏側を見て欲しい。どこのメーカーの機器にも『US AND FOREIGN PATENTS LICENSED FROM DOLBY LABORATORIES LICENSING CORPORATION』という英文が入っている。これはドルビーラボラトリーズの米国及び外国特許によるライセンス製品であるという意味です。
ドルビーラボラトリーズといえばドルビーデジタルやドルビーノイズリダクションで有名なアメリカの音響記録及び再生技術の研究・開発を行っている企業でありますが、MDのどこにドルビーの技術が入っているのでしょうか。

実は、MDの根幹である“ATRAC”という圧縮技術はドルビーラボラトリーズが開発したものなのです。ただし、これはMDに採用されたATRAC(1)のみであり、MD DATAの標準音声フォーマットに使われたATRAC 2に関しては不明、ソニーのCDウォークマンやネットワークウォークマンなどで使われたATRAC 3・ATRAC 3plusはソニー単独開発と言われています(同圧縮技術が用いられた機器にはドルビーのライセンス表記が見られない)。
しかし、ATRACシリーズ全てがソニーが開発したものであるとソニー自身は主張しており、現在では各MD機器に刻み込まれたドルビーのライセンス表記が最初のATRAC開発にドルビーが関わっていた名残となっています。

2015年4月18日

SONY MD WALKMAN MZ-R37

ソニーのポータブルMDレコーダー(録再機)である“MZ-R37”です。実はこの機種、日本では発売されずに海外専用モデルとして発売されたもので見たことがない方もいるのではないでしょうか。
写真を見ても分かる通り、特徴的なデザインはまるで業務用モデルを思わせるような秀逸さでこのモデルが何故日本で発売されなかったのかが今持って疑問であります。これは某オークションで入手したもので以前からこのポータブルMDのデザインが気になっていたのですが、もう入手出来ないだろう、と思って落札したのですが、大正解だったようです。

前面。液晶ディスプレイや基本操作を行う操作パネルがこの前面に集中しています。本体のデザインは宇宙船的なデザインですが、この操作パネルも操縦桿のようなデザインで素晴らしいです。
右の凹んでいる部分にあるのはMDのフタ(上部)を開けるための“OPEN”つまみです。




前面操作パネルをナナメから見たところです。操作パネルは若干傾斜が付いており、MDウォークマンの最終機“MZ-RH1”に似ているデザインです。既にこのデザインが先取りされていたことが驚きです。





側面。後側にはマイク端子(プラグインパワー)、正面左側面にはソニーのポータブル機器ではお馴染みのリモコン兼ヘッドホン端子、ラインアウト端子、ラインイン端子(光デジタル入力兼用)が備えられています。
ラインアウト端子が独立しているとコンポなどに接続する時も大変便利でした。



裏側。こちらの面には前面の操作パネルに集約できなかったであろうボタンが配置されています。重低音(Digital MEGABASS)やリピート機能はこちら側に割り当てられており、それだけがこのポータブルMDの難点です。それでもあの操作パネルにしたかったということを考えるとデザイン最優先のMDだったことが伺えます。
生産国は日本製、“ソニー株式会社”の表記のみが日本語で他の部分は貼られているシールを含めて全部英語表記です。


電源は単3電池2本。これはソニーの海外向けポータブルMDの特徴の一つであり、日本向けでは小ささを追求するためガム型電池など、特殊な電池を採用することが多いですが、海外向けでは単3電池など入手しやすい電池を採用していました。
それ故、大きさを犠牲にしている部分が大きく、本機種は1998年に発売された“MZ-R55”という機種をベースとしていますが、単3電池2本としたため、本体サイズが大きくなってしまっています。


液晶表示。海外専用モデルでありながらもカタカナ表示には対応している。液晶は普通のモデルと比べると小さめですがレベルメーター(上部)が装備されているので良しとしましょう。なお、バックライトは装備されていません。





付属リモコン。その名も“RM-MZR37”であり、本機種用であることがわかります。このリモコンも海外専用モデルなので、日本の機種で用いられたことはありません。
真中下に装備されているホールドスイッチが特徴的で、基本操作と音量が操作できるシンプルリモコンとなっています。




なお、リモコン自体は他のMDウォークマンに付属されている液晶付きのものが流用可能(漢字表示リモコン非対応)で、バックライトも点灯します。つまり、本機種に付いているシンプルリモコンも他機種に流用可能だったりします。流用したくないですが(^^;。







SONY MZ-R37



種別録音・再生機
OEM元-
発売日1999/
価格(当時)オープン()
文字表示カタカナ・英数・記号(本体)
ATRAC Ver.ATRAC 4 (CXD2652AR)
MDLP/Hi-MD×/×
入力マイク(プラグインパワー)/ラインイン(光デジタル入力兼用)
出力ラインアウト/ヘッドホン
使用電池単3電池×2/NH-AA×2(付属単3形ニカド電池)
電源DC4.5V(JEITA極性統一プラグ)
備考サンプリングレートコンバーター内蔵
海外専用モデル

2015年4月15日

ナショナル サマー電球 Ld100V 40W・S 40ワット

以前、当ブログの作者が運営しているホームページ上で『道路交通信号機用電球』という信号機用の特殊電球を紹介したことがありますが、実は特殊電球を集めるのも自分の趣味だったりします。
今回はナショナル(松下電器産業)が発売していた“サマー電球”を紹介します。パッケージは同社の電球である“シリカ電球”でおなじみだった丸い梱包材のものですが(通称:丸サック)、写真を見れば分かる通り、くたびれてボロボロになってしまっています。



商品名表記部分。『サマー電球 Ld100V 40W・S』と記載してあります。“40W・S”の型番通り40ワットの電球です。ちなみに“40W・S”のSはサマー電球を表す記号のようです。
パッケージには「NATIONAL LAMP」と“National”ではないロゴで記載されています。パナソニックのサイトによると“NATIONAL”から“National”に変わったのが1973年頃とされていますからそのあたりの電球ではないかと思われます。


中身の電球。凄く青いです。じゃあ、この電球はカラー電球なの?と思われるかも知れませんが、これは青白い色の光、蛍光灯で言う昼光色のような光が出せる電球なのです。
ちなみに東芝ライテックでは同様の機能を持った電球を“昼光ランプ”というそのままの名称で発売していたことがあります(既に生産完了)。



印刷部。懐かしいNマークではないナショナルロゴに“40W 100V サマー”と記載されているのが見えます。
この写真を見ると青が濃く見えるので、余計カラー電球に見えますよね。





実際にサマー電球を点灯させてみたところです。確かに通常の電球と比べると、より白い光を出していました。ちなみにナショナルはこの電球を更に発展させ、料理をひきたてるための電球として“グルメランプ”という電球を発売していたことがあります。
現在では白熱電球も各社で生産が終了し、通常照明用の電球が無くなってきている今としてはこのような電球はレアなのかもしれません。


その後、“サマー電球”は“ソフトサマー電球”という名称に変更し発売し続けていましたが、いつの日か生産終了してしまったようです。

2015年4月12日

AXIA CD-R PRO for Audio 74min.

富士フイルムが“AXIA”ブランドで発売していた音楽用CD-R“CD-R PRO for Audio”です。
同社が発売していた音楽用CD-Rとしては上位グレードの製品で、価格もそんなに高く無かったと記憶しており、よく使っていたCD-Rであります。写真は74分ですが、後発で80分タイプも発売されていました。







パッケージ裏。上が事業者名「富士写真フイルム(株)」の前期品で、下が「富士フイルムアクシア(株)」になっている後期品です。

音の表現力にこだわった、オーディオ用CD-R
アクシア最高峰のサウンド
透明感、フラット・バランスはもとより、ボーカル、アコースティック・サウンドの繊細なニュアンスなどの音の表現力、音場再現にこだわったオーディオ用CD-Rです。
新開発プリント・スタビライザーで、音をチューニング
高比重チタンホワイト含有のディスク外周のリング型プリントがレコードプレーヤーのスタビライザー同様の役割を示し、振動を押さえ音質を向上させています。
オーディオ用色素HR-4、4N Ag反射膜で、最大反射率73%を実現
記録色素にフジフイルムが写真分野で培ったトップレベルの色素合成技術で開発したオーディオ用色素:HR-4を、反射膜に99.99%の純度4Nの銀を採用。音楽表現に優れた素材を使い、最大反射率:73%を実現しました。



このキャッチコピーを見ると当時、富士フイルムがこのCD-Rにかなり力を入れていたことが伺えます。なお、前期ではオーディオ用の色素の名称が“HR-3”になっていたのに対し、後期品では“HR-4”の記載に変更されており、性能向上のためか随時改良されていたようです。
ディスク盤面。色は「」をベースとしたものになっています(公式ではアランフェス・グリーンと記載)。ディスク外周にある濃緑の帯はキャッチコピーにもあったプリント・スタビライザーで、この部分が重し代わりとなりディスクの回転が安定し音質が向上するという仕掛けになっていたようです。効果の程は明らかではありませんが、その後発売された通常の音楽用CD-Rにも用いられていました。



ディスクの裏面。写真下が書き込み済みのもので、写真上が未書き込みのものです。色を見る限りではフタロシアニン系な薄い系の色でもなく、アゾ系の濃すぎる色でもないので、恐らくはシアニン系の色素なのではないかと推測されます。
と、書いていたら、当時のアクシアの製品紹介サイト上で“オーディオ用として開発されたシアニン系色素HR-3”と記載してありましたので、やはりシアニン系で間違いないようです。












「Nero InfoTool」で見てみた本CD-Rの詳細。メーカーIDは“Fuji (97m26s40f)”となっており、正真正銘富士フイルム自社製のディスクです。しかも、日本製ですから今ではレア物でしょうね。
対応速度は“8X - 4X”となっており、そんなに高速書き込み対応ではありません。そもそも音楽用CD-R自体、パソコンのCD-Rドライブではなくオーディオ用のCD-Rレコーダで記録することを想定しており、高速記録に対応していないものが多いです。従って、パソコン上で音楽用CD-Rを使う時はそのドライブの最低速で書き込むべきです。
インデックスカード。16行の罫線になっており、このCD-Rを使っていた時は結構使い心地は良かった印象があります。右に見える「88:88」というデジタル表記は塗りつぶして数字を表現するもので使用例は写真右に。自分の使い方としては各トラックの時間を記載して、余ったら一番下に総時間を記載していました。
これはアクシアのカセットテープ(銘柄は忘れた)でも用いられていたような気が…。