2016年10月29日

SONY MD DATA 140MB MMD-140B

今回は2016年10月11日に新発売したソニーのMDデータディスク“MMD-140B”を紹介します。MD DATAは音楽用MDと同一サイズの専用ディスクにデータを格納するための記録媒体で、ソニーより発売された電子ファイル「DATA EATA」やマルチトラックレコーダーなどに採用されました。
サイズは音楽用MDと同サイズですが、内部にはデータ用か音楽用かの情報が書き込まれており、MD DATAは音楽用MDとして使うことは出来ず、その逆も不可能です。なので、両者は別個のメディアと考えるのが正しいと思います。


このMD DATAは10月11日に発売したばかりの新製品。現在MD DATAを採用した製品は発売されていませんし、普及したとも考えられませんが、現在でもある程度の需要があると考えられます。
写真上が今回紹介する“MMD-140B”の前世代に当たる“MMD-140A”で専用ケースに格納されていましたが、“MMD-140B”では音楽用MDと同様のケースに変更されたと見られ、パッケージデザインはそのままにパッケージのサイズが変わっています。

パッケージ裏。特にキャッチコピーの記載も無く、製品名と注意書きのみの記載でシンプル。これが終わったメディアの行く末なのでしょうか。
原産国は“日本”。かつてはゼウス(後の中谷産業・仙台プロダクト)が2012年にMD製造から撤退し、セハンメディア(現・コスモ新素材)も製造していましたが、現在は発売・製造共にソニーが行っているのみとなっています。なお、バーコードのベンダーは“ソニー(4548736)”となっていました。

開けてみました。案の定、ケースは音楽用MDと同様のスリーブケースとなっていました。インデックスラベルも一応“MD DATA”ロゴの付いた専用のものになっていますが、音楽用MDと全く同じラベルになっています。悲しきコストダウン…。というか共通化か。
元々、MD DATA登場当初は音楽用MDと同様のケースを用いていましたのである意味原点回帰とも言えそうですが。



歴代ソニーMD DATAメディアを比較してみました。左上が初代(MMD-140)右上が2代目(MMD-140A)下が現行(MMD-140B)です。2代目の“MMD-140A”ではブラックのシースルーシェルがカッコいい印象を受けましたが、“MMD-140B”は紺色が入った黒いシェルになっています。
前2世代ではライトプロテクトの位置が見える窓が設けられていましたが、“MMD-140B”では省略されています。ここにもコストダウン化の波が。この機能は便利だったので、音楽用MDにもフィードバックされるかと思ったのですが、どこのメーカーもマネしませんでしたね。

歴代MD DATAメディアの裏面。並び順は上の写真と同様です。驚いたのはこの部分。MD DATAディスクはデータを扱うという観点からか、シャッターが裏面のディスクまで完全密閉されている点が特徴でした。しかし“MMD-140B”ではディスクの回転部が露出している音楽用MDと共通の仕様となっていました。
TwitterでこのMD DATAの新発売をツイートした時“シャッターはネージュとかのと共通”と書いた時に前述の理由から、一瞬違うかもと思ったのですが、本当に共通だったとは。驚きました。

ちなみにソニーの電子ファイル「DATA EATA」で音楽用MDを挿入すると『ディスクの種類が違うため、対応できません。』というエラーが出て、初期化すら出来ません。






しかし、MDデータディスクを挿入すると、初期化の確認画面が出てきました。これがMD DATAが現在でも発売している理由なのかもしれませんね。






最後にMDデータディスクは音楽用MDと比較すると、右上のコーナー部が角ばっています。これは見た目や触り心地でMD DATAを人間が認識するための工夫であり、機器側はこの形状で認識しているわけではありません。前述の通り機器側ではディスクに書き込まれたデータ用か音楽用かの情報からメディアを認識しているのです。