2015年11月14日

STANLEY BU4230


以前このブログで紹介した自作ヘッドホンアンプにレベルメーターを付けようとヤフオク!を見ていたら、写真のようなズバリレベルメーター用のLEDが売っていたので購入してみました。
これはかつて秋葉原に展開していたジャンクショップ“たんせい”の名を引き継いだことで知られる和海機工が販売しているもので、ヤフオク!以外にも同社のウェブショップである“丹青通商”でも入手することができます。
2015年11月現在の価格は2個500円。送料はゆうバケットを指定すれば164円で済みます。


しかし、このレベルメーター、ピン配置などの資料が無い。これを売っている丹青通商でも『残念なことにデータシートありません』と言った感じです。
と、言うわけで2個あったので1個を分解し、中のLEDのパターンを追ってみることにしました。写真下が上部の表示部を取った所で、上部・Lチャンネルと下部Rチャンネルに各8個づつのLEDチップが載っており、8点表示のレベルメーターのようですね。


これが根気強くパターンを追って解析した内部LEDの配置です。各LEDが直列に接続されている構造になっていて、恐らくは専用ICに特化したレベルメーターであると思われます。
一番戸惑ったのはレベルメーターの下部『∞』のLEDで、どうパターンを読み取ってもLとRのLEDが直列で繋がっているようにしか見えません。どうやら、この『∞』はレベルに関係なく常時点灯しているものらしい。つまり、このレベルメーター、実質7点表示であり、8点表示では無かったのです。

このような配置のレベルメータの場合、ワンチップマイコンとかを使うか、専用ICを使うかという選択になるのですが、自分の場合プログラミング出来ないので、後者を選択することに。
ネット上で各レベルメーター用のICを探していると、この配置に適した専用ICをたまたま発見できました。それは三洋半導体の“LB1408”という7点レベルメーターのICです。 データシートを見てみると見事にLEDの配置が一致しています。




しかし、このICは国内ではほぼ入手困難に近いもので、この型番でネット検索してみると「レベルメーターICのLB1408の代替品ついて」という質問サイトに行き着く程。そこで使ったのが前回の記事で紹介したAliExpressです。今回は10個入り2000円程度のものを購入してみました。多分、あれでしょう。日本にあるLB1408はその質問サイトの質問者さんが買い占めましたねw。
で、解析したレベルメーターと入手した専用ICを組み合わせて設計したのが上の回路図です。回路はLB1408のデータシート内「応用回路例」を丸写しですw。LB1408は片チャンネル(モノラル)のレベルメーターICで、今回使う“STANLEY BU4230”では左チャンネルと右チャンネルの2つのレベルが表示されますのでICは2個使います。ちなみにこの回路図ではスイッチを付け忘れておりますが、もちろん用途に応じてスイッチは付けて下さい。
このLB1408の特徴としては外付け部品が少なくなっていることと、通常のレベルメーターICで必要なアンプ回路が省かれていることです。そのため、音声信号をICに直接入力することが出来ます。ネット上にはLB1408のデータシートは英語版しかありませんが、英語なんて虫酸が走るわ!という方のために一応日本語版のデータシートも用意しました。参考にどうぞ。
http://miharin.wktk.so/docs/LB1408J.pdf
レベルメーターにケーブルとコネクタをつけた所。ここまででも結構手間で、小1時間程掛かっております。
これが上記回路図を元に作った基板です。回路図には無かったスイッチもしっかり実装しています。この基板の大きさは組み込むケースに対しての大きさだったのですが、結構ギチギチな配置になってしまい、基板裏の配線はこのカオスっぷりです。
なお、基板上のIC下に付いている半固定抵抗はレベルメーターの表示具合を調整するためのものです。このボリュームはアンプの音量調節のように常時使うものでないため、基板に直付けするタイプのものを使っています。

これが実際に動作させた所です(ほぼ全表示で見せるため、オーバーレベル気味で調整しています)。-10dB~-3dBまでが“”、0dB~+6dBまでが“”で表示されます。なお、-10dB~-3dBの方は1つのLED表示なのにも関わらず2目盛あるもので、如何にも多い点数のレベルメーターっぽく見させる作戦ですね。
なお、一番下の『∞』に関しては未結線によりLEDが点灯していません。こちらは後ほど追記します。




なお、電源についてですが、ICのデータシート上で電源範囲は6.7V~16Vとの記載があるため、一応006Pの電池でも動作可能です。しかし、14個+2個のLEDを駆動させているため、電池寿命は早いです。実用として使うにはACアダプタなどを用いたほうが無難でしょう。もし、006P電池を常用するのであれば充電式電池を使うのが良いでしょうね。
ここでウラ話を。最初、L側の表示はちゃんと表示されるのにR側の表示がされないというトラブルが発生。基板上を見ても配線に間違いはありませんでした。色々試しているうちに、動作しているL側のICを抜き取り、R側に差し込むとなんと正常に動作するではありませんか。
つまり、ICが壊れていたということだったらしいです。



そこで、注文したLB1408を全調査。10個中6個はなんと動作せず(写真左6個)。1個は動作するがパッケージが欠けている(写真右上1個)。もう1個はLB1710という全く違うICという始末(ちなみにこれは同じく三洋半導体のトランジスタアレイらしいですが)。
実質、正常動作したのは今回作ったレベルメーターで使った2個のみで他は全て不良品でした。さすが中国。動作不良品を選別して売っているのか、恐ろしい程の不良率。1個1000円のレベルメーターICは高い勉強代となりましたw。

追試でレベルメーター下の『∞』も点灯させてみました。006Pの電池を用いたテストでは手持ちの470Ωの抵抗では暗すぎ、330Ωの抵抗で丁度良い明るさだったのでそれで決めました。ちなみに上記回路図では330Ωで反映させています。
また、006P電池を用いない場合やデータシート上の標準電圧である12Vではまた明るさが変わってくると思うので、その時は要確認です。

2015年11月3日

AliExpressで買い物してみた

最近、欲しい電子部品があったので、中国の通販サイトである“AliExpress”を使って買い物をしてみました。初の海外通販。支払いは基本クレカですが、自分はクレカと同じ手順で購入できるVisaデビットを使って購入しました。
“AliExpress”は中国のB2Bオンラインマーケット「アリババ(aribaba.com)」などで知られる“阿里巴巴集団(アリババグループ)”が運営しているショッピングサイト。同社自体は日本のソフトバンクが資本提携しているほど大きい会社なのですが、“AliExpress”は日本で言う楽天市場のようにさまざまな中国の小売店が出品しているショッピングサイトになっています。

所詮は中国のお店なので、予想できますよね?商品が来なかったり、発送が遅かったり。しかも、無料発送のものは大半が国際郵便みたいので届くので最低2~3週間ぐらいかかったりします。まぁ、購入方法に関してはネット上にたくさん記載されているサイトがあるので興味のある方はそちらを見て頂ければ良いかな?と。
数あるリスクを考えれば、どうしても日本では買えなくて欲しいというものでない限りは日本のショッピングサイトを使うほうがずっと無難です。

と、言うわけで購入してみたわけですが、中国の郵便局である“中国郵政(China Post)”の追跡番号のいい加減さに笑ってしまったのです。

まず、一軒目。中国郵政の追跡サイトを使って追跡してみた様子。















なんやかんやあって、最終的には『到着【日本川崎】互換局』と書いてあるように見え、郵便物は既に日本に到着していることがわかります。
この時点で日本の郵便局にも追跡番号が伝わり、日本郵便の追跡サイト上にも反映されます。この郵便物は通関手続きが完了して『国際交換局から発送』となっているので、もう2~3日程度で届くことでしょう。

次に2軒目。同じく中国郵政の追跡サイトで見てみると、










ステータスは『【深セン互換局】己出口直封』の先から進んでおらず、前の例のように特に中国を出たとも日本に着いたとも書いてありませんが…、























何故か日本郵便の追跡サイトで追跡が可能になっており、しかもその郵便物は日本に到着している!?

以上のように中国郵政の追跡はかな~り、いい加減なので参考程度に留めておくのが良いのかもしれない。つまりは気長に待っていましょうw。