2015年2月16日

KENWOOD PORTABLE COMPACT DISC PLAYER DPC-7

ケンウッド(現・JVCケンウッド)の古いポータブルCDプレイヤーである“DPC-7”です。一説によるとケンウッドポータブルCD初号機であるとの話もありますが確証が無いので不明です。
この四角いボディと2系統のヘッドホン端子は86~87年にかけての機種でしょうか??








このCDプレーヤー、入手時は電源が入らない状態でしたが、調べてみると内部基板のDC-DCコンバータらしきモジュール(写真の基板上、左に見える箱のようなもの)の中に入っていた電解コンデンサが盛大に液漏れしており、それを交換することで無事息を吹き返すことに成功しました。




写真下に見える水色の電解コンデンサが液漏れを起こしていました。取り敢えず、水色の外装で通常品の電解コンデンサとは違うものと推測、低ESR品が良いだろうということで、部品箱にマザーボード修理用としてストックしていたニッケミのKZH(写真上)が転がっていたのでそれに換装しました。
しかし、この水色のコンデンサ、同年代の機種でよく液漏れしているのを見るなぁ…。ちなみにこのCDプレイヤーの中で液漏れを起こしていたのはこれのみで他は液漏れを起こしていませんでした。

CDプレイヤーの前面。右側には電源スイッチが見えます。ヘッドホン端子はこれまた初代ウォークマンに触発されたと思われる2系統のヘッドホン端子です。右のヘッドホン端子には「LINE」の記載があり、ラインアウト端子も兼ねているようですが、あくまでもヘッドホン端子のためボリュームと連動しています。




天面。早送り・巻き戻しのボタンとトラックスキップのボタンが独立しており、他のポータブルCDと比べるとボタン数が多く感じます。16曲までのプログラム再生機能と全曲・1曲リピート機能が揃っていて一通りCDプレイヤーとしての機能は完成しています。
TechnicsのポータブルCDにも搭載されていた高音域をカットする“HIGH FILTER”機能を搭載。 このボタンを押すと液晶右上に[HF]という表示がされます。


液晶表示。表示はトラック数と経過時間を表す、至って普通のCDプレイヤーの表示です。写真の表示は限りなく全表示に近づけたもので、CD総残り時間の表示になっています。
ちなみに左下のカギのマークは“KEY LOCK”(他メーカーHOLDと同等の機能)ONを表しています。




後面。こちら側はDC入力端子のみ、前面にラインアウト端子を兼ねたヘッドホン端子もありますから、普通のポータブルCDにあるようなラインアウト端子も見られず素っ気ない印象です。
ACアダプタはセンターマイナスの内径2.1mmタイプ。入力電圧は6V~9Vまでという何ともアバウトな表示で、いわゆるファミコンのACアダプタがそのまま流用可能です。古いポータブルCDプレイヤーのコレクターなら旧世代のソニーDiscman用ACアダプタでも流用可能ですよ(EIAJ統一規格プラグのタイプは×)。

このCDプレイヤーの下側はやはり充電式電池になっています。








充電式電池の裏側。充電式電池には公称電圧や容量などは記載されておらず、注意書きのみの表記です。ちなみに型番は“LB-2”。






充電式電池の中身。銀色の包装に包まれた電池が3つ見えます。この電池は鉛蓄電池であり、鉛蓄電池の単セルは2Vですから、3つで6Vであると思われます。
以前本ブログで紹介したTechnicsのポータブルCDでは正負電源での供給だったので、6個入っていましたが、このCDプレイヤーは単電源のため半分の3個で済んでおり、若干薄型になっています。


おまけ。このCDプレイヤーのOEMらしき機種です。“morphy richards(モーフィーリチャーズ)”というイギリスの家電製品メーカーのものらしいです。型番は“CD570”。
ちなみにこのポータブルCDはどこかのジャンクで入手したと記憶、電源を投入した途端に件のDC-DCコンバーターが焼けて使えなくなってしまったのです。今回、OEM元を入手できたのでこれも治せるかもしれないですね。


天面こそDPC-7と違いますが前面を比較すると、ほら、そっくり。というか全く同じですね。
DPC-7ではヘッドホン端子2系統だったものがCD570ではヘッドホン端子とラインアウト端子が1系統づつになっており、機能は異なっているようですが。




CD570では底面の充電式電池の端子が無く、充電式電池を装着することが出来ません。その代わり単3電池4本で動く電池ケースが付属しておりそれを使うことで持ち歩くことが出来ます。
その電池ケースはOEM元であるDPC-7にも取り付けることが可能で、動作しましたが、液晶表示が薄くなってしまい、動作が時に不安定になってしまいました。やはり機種違いだと合わないか?

4 件のコメント:

  1. はじめまして。
    CD570の単三電池パックを見たところ、電気的接点は構造的に背面のDCジャックからの電源供給と見受けますが、そういう構造でしょうか?

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    1. ご指摘の通り、背面のDC入力端子から電源供給を行っています。CD570にはOEM元であるDPC-7と違って、充電式電池が付く端子が無いため、電源供給はDC入力端子のみです。

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  2. はじめまして、私は最近になって古いCDプレーヤーに興味を持ち、
    ソニー製品を中心に収集を始めた者です。
    ケンウッドのDPC-7は四角い作りがごつくてとてもカッコいいですね。
    いかにも80年代の品とういう感じでデザインも素晴らしいです。
    オークションに出品されているものがあればぜひ購入したいと
    考えています。アダプターは、ソニー製品の古いディスクマン用の9V
    のセンターマイナスのものを持っているのですが、使用可能でしょうか。
    電圧が6V~9Vとはなんともアバウトで怖いです。電気に詳しくないもので
    壊してしまうのではないかと不安です。アンペアとかもよく分からないのですが
    教えていただけるとありがたいです。

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    1. 型番を教えてほしい所ですが、使用可能であると思います。電圧と極性さえ合っていれば電流は基本気にしなくても大丈夫です。
      むしろ、入手したCDプレイヤーが壊れていないかという事の方が大事だと思います。この記事で紹介しているmorphy richardsのポータブルCDは電源を入れた途端、煙を吐いて昇天しました。

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