富士フイルムのデジタルカメラである“FINEPIX F70 EXR”。これはFinePix Fシリーズのデジタルカメラで、既発売の機種である“F200 EXR”の兄弟機種に当たり、同機種が1200万画素なのに対し、当機種は1000万画素と廉価版的な位置付けもあったようです。
これは例によってハードオフのジャンクで入手したもの。症状としては『写真は写せるが、表示が出来ない』という謎症状。取り敢えず税抜き300円だったし、面白そうだったので購入してみました。
早速、動作確認してみようとしてみたのですが、このカメラで使える充電式電池を持っていなかったので、互換電池待ちの状態でした。
ちなみにこのデジタルカメラのバッテリーパックは“NP-50”というバッテリーで、富士フイルムだけではなく、コダック(KLIC-7004)やペンタックス(D-LI68)も同一形状のバッテリーパックを用いているようです。
FinePixと言えばスマートメディアやxD-ピクチャーカードを採用していた時代があり、自分的には敬遠していたのですが本機種では現在一般的に普及しているSDカード(SDHCにも対応)を採用しています。
現在では同社のみならず、メモリースティックに固執してきたソニーのデジカメもSDカードを採用しているようで、SDカードはコンデジ界のディファクトスタンダードになったと言えますね。
動作確認してみると、ダイアルの位置と画面表示が違っていました。写真では画面は動画になっていますが、ダイアルの位置はナチュラルフォトの位置であり、全く異なっています。
その他、ボタン類が全く効かず、ボタンを押したらダイアルを回した時のモード切り替えの画面になったりめちゃくちゃな状態になっています。もちろん、再生モードのボタンも効かず、「撮影はできるが表示が出来ない」とはこの事だったのか、と思いました。シャッターのボタンは普通に押せますから写真は撮れますし、電源スイッチも正常でした。
やはり治すには分解しないと始まらないということで、分解を試みてみます。このデジカメは分解防止のためか一部で特殊なネジが使われていました。自分はこのネジに合うドライバーを持っていなかったのでマイナスドライバーで強引に緩めました。
※:ちなみにデジタルカメラの分解は自己責任でお願いします。もし、フラッシュ発光用に帯電しているコンデンサに触ると、本当に痛いぐらいの勢いで感電します。
誤動作している問題の操作盤は液晶画面側のカバーを外せばすぐにお目見えできます。上では感電すると書きましたが、この部分にはコンデンサは付いていないですから、この部分だけをいじるだけなら感電はしないでしょう。
操作盤と基板とを結んでいるのは写真中央の青いフラットケーブル。外してケーブルの端子を拭いたり、磨いたりしましたが、無残にも効果はありませんでした。
次に基板に付いているコネクタを疑ってみました。この基板はあまり評判の良くない鉛フリーはんだを用いているようなので、コネクター部分のハンダ付け部分をハンダゴテで熱してみました。が、これも効果はありませんでした。
操作盤を外して色々、試行錯誤してみるとフラットケーブルを真っ直ぐに伸ばした状態では正常に作動しますが、曲げた状態(組み立て時)で誤動作することが判明しました。恐らく、フラットケーブルが何らかの原因で断線し、このような現象が起きたのでしょう。それにしてもこの部分は動く部分ではないので、断線はありえないと思うのですが…。
今回は組み立て時にフラットケーブルの折り返し位置を変えることで、正常な動作になりました(写真)。
再度動作確認を試みてみると、ちゃんとダイアルの位置と画面の動作モードが一致しています。
もし、今回謎のフラットケーブルの断線が経年劣化によるものならば、この処置を施しても、再度同じ症状を発症する恐れがあり、一時しのぎにしかならないでしょう。そうでないことを祈る限りではありますが。
ダイアルのみではなく、ボタンの動作も正常になり、再生モードに入り、なおかつメニュー画面にも入ることが出来ました。
基盤のところまで診て解るんですか。まぁ~凄いこんな人に中古で安く買ったジャンクカメラの故障診てもらえば・・・・なんて思いました。
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