2017年7月14日

スーパーファミコンの特殊チップを見てみよう!

スーパーファミコンには本体の機能を補うため、ゲームソフト内に特殊チップが搭載されているものがありました。今回の“徒然ブログ”ではハドオフとかのジャンクで漁ってきた特殊チップ搭載のスーパーファミコンカセットの中身を見てみよう、という記事です。
さて、特殊チップを搭載したチップは何処で見分けるのでしょう。Wikipediaの一覧表を覚えて探すのも良いかもしれませんが、もっと手っ取り早く探す方法があります。それは、スーパーファミコンカセットの端子部分を見ることです。
この写真を見るとわかると思いますが、特殊チップが搭載されているカセットの多くには端子部分の両端に小さい端子が見られるのです。これによりわざわざ一覧表を覚えたりしなくてもその場で特殊チップ搭載ソフトがわかると言うわけです。
※ただし、“DSP-1”チップなどこの法則に当てはまらない特殊チップ搭載ソフトもあることに注意です。






では、スーパーファミコンの特殊チップを実際に見ていきましょう!

スーパーマリオ ヨッシーアイランド(任天堂)

「ヨッシーアイランド」に内蔵するのはスターフォックスでよく知られる“スーパーFXチップ”。これは2世代目のチップ(GSU-2)で高速化を実現した他、内蔵メモリも増強されていると言われている。
残念ながら未発売となった「スターフォックス2」にもこのタイプのチップが搭載される予定だったようである。
印字から製造はシャープであると推測。







スーパーパワーリーグ4(ハドソン)



「スーパーパワーリーグ4」に内蔵するのはセイコーエプソン製の“SPC7110F”というチップで、グラフィック性能を向上する他にデータの圧縮機能も搭載していたようです。「天外魔境ZERO」に搭載されていたことでも有名。
ちなみにハドソンはPCエンジンなどに採用された“HuC62システム”もセイコーエプソンに製造を委託、同社はエプソンと関わりが深かった。








エキゾースト・ヒートII(セタ)

「エキゾースト・ヒートII」に内蔵するのはセタのカスタムチップ“ST010”。NECエレクトロニクス(現・ルネサスエレクトロニクス)製でμPD96050というCPUベースのチップであるらしい(刻印にもそれらしき表記が見られる)。
ここで紹介する特殊チップの中で唯一な男気溢れる多ピンDIPパッケージ!









星のカービィ3(任天堂)


 「星のカービィ3」に内蔵するのは、スーパーファミコン本体内蔵のCPUと同性能を持つと言われるチップ“SA1”。CICと呼ばれるセキュリティチップも内蔵されている。他に「スーパーマリオRPG」などにも搭載されている。












スターフォックス/北米版(任天堂)


 「スターフォックス」に内蔵するのはあまりにも有名な“スーパーFXチップ”。ただし、実際のチップには「MARIO CHIP 1」と印字。これがスーパーFXチップのコードネームと見られる。
開発は任天堂とスターフォックスの開発にも参画したアルゴノートゲームスの合弁会社A/N Software。印字にも表記がある。
型番が「LR38173」となっているので実製造はシャープか。







パイロットウイングス(任天堂)


「パイロットウイングス」に内蔵するのは“DSP-1”というチップ。これはNECエレクトロニクス(現・ルネサスエレクトロニクス)のDSPチップμPD77C25を元にしていると言われている。
「スーパーマリオカート」での採用が有名だが、実は「パイロットウイングス」の方が先に採用されている(実はこのゲームが初採用)。
なお、冒頭に記載の通りこのチップが採用されているゲームソフトには端子部分両端の小さい端子が見られない構造になっている。






パイロットウイングス/北米版(任天堂)


単なる好奇心で北米版の中身も分解。国内版と同様に“DSP-1”を内蔵しています。「パイロットウイングス」の初期ロットではチップを搭載しないバージョンも存在しているらしいが、今のところ筆者は見たことが無い。
なお、北米版SNESはカートリッジの形状が異なるものの日本と同じNTSC方式のためアダプタを噛ませば日本の本体でもプレイ可能。ただし、粗悪なアダプタだとコストダウンで端子部分両端の小さい端子が省略されていて特殊チップ搭載ソフトがプレイできないアダプタもあることに注意。




スターオーシャン(エニックス)


「スターオーシャン」に内蔵するのは“S-DD1”というチップで圧縮・伸張を行っている。このようなチップが生まれた背景にはROMの大容量化にある。ROMが大容量になるとゲームの価格が上昇してしまう。そこでこのような圧縮チップを使うことで低容量でも大容量のデータが入れられるようになったのである。
しかし、このチップが使われたのはこの「スターオーシャン」と「ストリートファイターZERO2」のみである。 ちなみに“SA1”と同様にCICと呼ばれているセキュリティチップを内蔵。





JRA PAT(RSS競馬セキュリティサービス)


「JRA PAT」とは競馬の電話投票システムのこと。専用モデムを使うことでスーパーファミコン上で投票することが可能だった。カセットも差別化されており、黒い。
これは端子部分両端の小さい端子が見られるが特殊チップを持たない珍しい例である。ただし、AMD製のフラッシュメモリAM29F010を搭載している。スーパーファミコンではSRAMによるバッテリーバックアップが殆どのため、このようなフラッシュメモリは珍しい。





更に特殊チップ搭載カセットを見つけたら更新していくかもしれないので。乞うご期待です!